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アメリカン・スナイパー(2014)
【2015/08/20 21:37】 映画あ
アメリカン・スナイパー(2014)
 AMERICAN SNIPER

as-1.jpg

上映時間 : 132分
製作国 : アメリカ
映倫 : R15+

監督:クリント・イーストウッド
原作:クリス・カイル
『ネイビー・シールズ 最強の狙撃手』(原書房刊)
スコット・マキューアン
ジム・デフェリス
脚本:ジェイソン・ホール
撮影:トム・スターン
出演:
ブラッドリー・クーパー / クリス・カイル
シエナ・ミラー / タヤ・カイル
ルーク・グライムス / マーク・リー
ジェイク・マクドーマン / ビグルス
ケヴィン・レイス / ドーバー
コリー・ハードリクト / “D”/ダンドリッジ
ナヴィド・ネガーバン / アル=オボーディ師(長老/シャイフ)
ミド・ハマダ / 虐殺者

2001年のアメリカ同時多発テロをテレビで目の当たりにした青年クリス・カイルは、
祖国の人々を守るために貢献したいとの思いを強くし、
ネイビー・シールズで狙撃手としての過酷な訓練に励んでいく。
やがてイラクに出征したクリスは、その驚異的な狙撃の精度で味方の窮地を幾度も救っていく。
仲間たちから“レジェンド”と賞賛される活躍をし、無事に帰国したクリス。
これでようやく、愛する妻タヤと生まれたばかりの長男と共に平穏な日常を送れるかに思われたが…。



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先ず最初にラストのお話。
エンドロールに音楽が無いのにビックリしました。
だってクリント・イーストウッドの作品なんですよ。
イーストウッドは俳優、監督であると共に作曲家でありミュージシャンでもあるので、
その彼がエンドロールを無音で流すというのは、かなりの異常事態であると言ってもいい。

そもそもこの映画に使われている音楽って、イーストウッド作の「タヤのテーマ」と
ヴァン・モリソンの「Someone Like You」とエンニオ・モリコーネの「The Funeral」
(「続・荒野の1ドル銀貨」の曲)の3曲だけ!
無音のエンドロールといい、どんな意味が込められているのでしょうね・・・?
無音のエンドロールを眺めながら、いろいろと考えてくださいということなのでしょうか?
僕はいろいろ考えましたよ・・・。結論出ませんでしたが・・・(^_^;)。

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さて、アメリカ本国で、公開一週目に1億530万ドルの興行収入を上げ、R15+指定で歴代2位の成績。
その後も戦争映画のヒット記録を更新中というハリウッドの予想(常識)をひっくり返しているらしい。
イラク戦争とアフガニスタン戦争を扱った戦争映画はヒットしないというのが常識だそうです。

この映画はどういう立場で観るかによって、評価は変わると思いますが、アメリカ人にとって
ヒーロー映画であるということだけは間違いが無い。強い愛国心と仲間意識を持った青年が、
イラクにおいて160人以上の敵を射殺したという事実は、一般のアメリカ人にとって拍手喝采もの
なんでしょね。だからこんなにヒットした。

そして、この作品は非常に微妙な立場にいるといえる。だからこんなに騒がれる。

この作品のテーマは、どう見ても戦争がもたらす犠牲者についてといっていい。
主人公は戦争によるPTSD(Post Traumatic Stress Disorder :心的外傷後ストレス障害)になっていて、
「ハート・ロッカー」の主人公もそうだったけど、クリス・カイルも戦場における極限状態の緊張が
もたらす副作用として、何度も戦場に戻ってしまう。一種の麻薬みたいなものですね。実際クリスは
イラクに4回も志願して戻っている。それにより、普通の家庭生活を送るのが難しくなってしまう。

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それにも関わらず、この映画では、イラク侵攻についての是非は特に問題にしていない。
でも観終わった感想は、この作品は戦争を肯定した作品ではないということは言える。
言えるはずなんだけど、そう思えない人々がいるってことなんですよね。

それは、戦争映画(ヒーロー映画)として、手に汗握る作品に仕上がっているということかな。
そうエンタメ作品として、とても面白い!
敵の狙撃者は元オリンピック選手でメダリスト、説明の必要のない銃の名手。
そんな敵がアメリカ兵をどこからともなく狙っている!

そうそう、地元の長老に会いに戻る場面、ちょっと作戦が杜撰すぎじゃないですか、
無防備というか・・・。あんなに犠牲者だして、指揮官の失敗ですね。

そしてカイルは何と1.9キロ離れた敵を狙い、カメラはその弾の動きをスローモーションで追う。
ゴルゴか!?

そうかと思えば、狙う敵が女や子供であったりして、しかも彼等を撃つ判断はカイルに委ねられる。
隣にいる仲間は、武器を装備していない女子供を撃てば、軍事裁判にかけられるぞなんて言っているし、
上司は彼等が武器を持っていると思えばすぐに撃てと言う。
そりゃ観ている方はドキドキするし、当事者はおかしくなるよ。

この女子供を撃つしかないということ自体は、戦争なんだから仕方がない。
それが戦争なんだけど、でもその結果がPTSDなんですよね。

後半、戦場から家庭に戻ったカイルが、PTSDによる爆発がいつ起きるのか?という見せ方も上手い。
妻や子供たちに暴力を振るうんじゃないかというハラハラ感で、これまた手に汗握ります。

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インタビューなんかを見ると、まず脚本家がカイルの自伝に興味を持ち、カイルにも会い、脚本を書き出した。
主演のブラッドリー・クーパーは打診を受けこの作品に出演と製作で参加し、イーストウッドは最後に決まった
ようですね。それを知ると、この作品におけるイーストウッドの意見はどこまで出ているのかな?と思います。

クーパーは勿論彼と知っていて観ているんだけど、筋肉をつけて一回りくらい大きくなっていて別人に思える。
そして単なるヒーローではなく、優しい家族思いの人間としてカイルを演じている。
だから家に戻ってきてからのカイルの行動を見るのがつらい。

シエナ・ミラーもとっても上手い。
ちょっとビックリ(シエナ、御免!)。

一人殺したら殺人犯だが、百人(この映画で言えば160人以上)殺したら英雄だというのは、
戦場での行為を表した言葉だけど、ホント空しい言葉です。
一人殺しても百人殺してもそれは殺人犯だと言える日々が来ることはあるのかな・・・。

「地獄の黙示録」だったかな? 戦場における無差別殺人に関して、戦場で殺人問題を持ち出すのは、
インディ500で早い車をスピード・オーバーで取り締まるようなものだ、みたいなセリフがあるんですが、
民間人を無差別に殺してはいけないということになっていても、日本軍もアメリカ軍もドイツ軍もやりたい放題
だったわけで、それが戦争なわけですよ、悲しいことに。



数少ない今作の音楽です。

☆Clint Eastwood - Taya’s Theme



☆Van Morrison - Someone Like You



☆American Sniper OST - The Funeral



☆予告↓




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テーマ:映画感想 - ジャンル:映画

この記事に対するコメント

こんにちは。

丁度『父親たちの星条旗』を見終えたところなんですが、あの映画では戦争を、「善対悪」「ヒーロー対悪者」みたいに単純に言うやつはバカだ、と最初に言ってました。『アメリカン・スナイパー』でも同様な描き方をしてる、ってことでしょうか。単純に二元論で落ち着かないぞと。映画が出来た経緯からは、イーストウッド監督の考えが、どれだけ反映されているのかは、ちょっと分かりませんが、、。

ただ、個人では抗えない、巨大な力に押し流されて感覚が麻痺してしまう戦場を描く時、この考え方はとても大切なのではないでしょうか。
【2015/08/21 10:14】 URL | yuccalina #43EIiEKE [ 編集]


バニーさん、こんにちは。

お恥ずかしながら、この作品はまだ観てないんですよ!
バニーさんの記事を読ませていただき、ますます自分の目で確かめたくなりました。
観終わって何を感じるのか…。
お勉強にかたが付いたらレッツ・ツタヤします!
【2015/08/21 16:06】 URL | タルトFC2 #- [ 編集]


私もこの映画を見て記事に少しだけ書いたところでした。

観終わっての感想は、複雑でした。

BGMが3曲だけというのには気づいてなくて驚きです。

愛国映画なのか反戦映画なのか、現実の裁判も進行中とのことなので、
諸説あるようですが、個人的には、「観て良かった」映画でした。

詳しい解説をありがとうございました。

【2015/08/21 20:25】 URL | ナカリママ #- [ 編集]


yuccalinaさん、コメントありがとうございます。

>丁度『父親たちの星条旗』を見終えたところなんですが、あの映画では戦争を、「善対悪」「ヒーロー対悪者」みたいに単純に言うやつはバカだ、
>と最初に言ってました。『アメリカン・スナイパー』でも同様な描き方をしてる、ってことでしょうか。単純に二元論で落ち着かないぞと。

少なくとも僕はそのようにこの映画を観ました。
この映画を観て、議論になることが目的と言ってもいいかなと。

>映画が出来た経緯からは、イーストウッド監督の考えが、どれだけ反映されているのかは、ちょっと分かりませんが、、。

イーストウッドは政治的に保守であり、「西部劇」のスターなので、敵を倒すことには罪悪感がない(という言い方は問題があるかもしれませんが)のかもしれません。
ただ“頼まれ仕事”であっても、納得できる内容なので引き受けたと思います。

>ただ、個人では抗えない、巨大な力に押し流されて感覚が麻痺してしまう戦場を描く時、この考え方はとても大切なのではないでしょうか。

戦場における行為とか考え方が、このようなものになるのはそうだよなと思いますが、その前のこと(戦争の是非)を問わないのはアメリカ的かなと思いました。
【2015/08/21 20:48】 URL | バニーマン #- [ 編集]


タルトさん、コメントありがとうございます。

>お恥ずかしながら、この作品はまだ観てないんですよ!
>バニーさんの記事を読ませていただき、ますます自分の目で確かめたくなりました。
>観終わって何を感じるのか…。
>お勉強にかたが付いたらレッツ・ツタヤします!

いえいえ、僕だってレンタルでやっと観たところですから・・・。
この作品は、観ていろいろ考えるというのが、むしろ一番のテーマなのかなと思います。
是非レッツ・ツタヤへ!
【2015/08/21 20:53】 URL | バニーマン #- [ 編集]


ナカリママさん、コメントありがとうございます。

>観終わっての感想は、複雑でした。

そう思うだけでも、この映画は観る価値ありだと思います。
イーストウッド監督の戦術にハマったということかもしれませんが・・・。

>BGMが3曲だけというのには気づいてなくて驚きです。

僕はエンドロールが無音なので、えっ?と思い、じっとエンドロールを見ていて気が付きました。観ているときも、「歌」の使用は少ないな~とは思っていましたが、まさか3曲だけとはビックリしました。
【2015/08/21 21:09】 URL | バニーマン #- [ 編集]


愛国心があればあるほど、不幸になる、
という二律背反を描いた作品なんでしょうね。

日本人なら、「・・・だから戦争はよくない」というふうにすんなりと
結論づけると思うのですが、アメリカ人はソコで悩むんでしょうね。
だから、これだけ売れて、話題にもなるんでしょうね。
【2015/08/22 12:44】 URL | つかりこ #- [ 編集]


つかりこさん、コメントありがとうございます。

>愛国心があればあるほど、不幸になる、
>という二律背反を描いた作品なんでしょうね。

そうなんですよ。
家族は戦場に行ってほしくない。
本人は味方を助けに行きたい。
助けた味方からは感謝される。
弟は戦場でおかしくなっている。
・・・う~ん? ですよね。

>日本人なら、「・・・だから戦争はよくない」というふうにすんなりと
>結論づけると思うのですが、アメリカ人はソコで悩むんでしょうね。
>だから、これだけ売れて、話題にもなるんでしょうね。

イーストウッド監督自身が保守派なので、こういう議論が起きる作品を
つくっちゃうのでしょうね。
【2015/08/22 21:21】 URL | バニーマン #- [ 編集]


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