バニーマン日記
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小さいおうち(2013)
【2014/10/28 21:01】 映画ち
小さいおうち(2013)

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上映時間 : 136分
製作国 : 日本

監督:山田洋次
原作:中島京子 『小さいおうち』(文藝春秋刊)
脚本:山田洋次
平松恵美子
撮影:近森眞史
美術:出川三男
須江大輔
編集:石井巌
音楽:久石譲
照明:渡邊孝一
録音:岸田和美

出演:
松たか子 / 平井時子
黒木華 / 布宮タキ
片岡孝太郎 / 平井雅樹
吉岡秀隆 / 板倉正治
妻夫木聡 / 荒井健史
倍賞千恵子 / 布宮タキ(平成)
橋爪功 / 小中先生
吉行和子 / 小中夫人
室井滋 / 貞子
中嶋朋子 / 松岡睦子
林家正蔵 / 治療師
ラサール石井 / 柳社長
あき竹城 / カネ
松金よね子 / 花輪の叔母
螢雪次朗 / 酒屋のおやじ
市川福太郎 / 平井恭一(少年期)
秋山聡 / 平井恭一(幼年期)
笹野高史 / 花輪和夫
小林稔侍 / 荒井軍治
夏川結衣 / 荒井康子
木村文乃 / ユキ
米倉斉加年 / 平井恭一(平成)

大学生の健史は、亡くなった大伯母・布宮タキから彼女が遺した自叙伝を託される。
そこには、健史が知らない戦前の人々の暮らしと若かりしタキが女中として働いた
家族の小さな秘密が綴られていた――。
昭和初期、山形から東京へと女中奉公に出たタキは、小説家の屋敷に1年仕えた後、
東京郊外の平井家に奉公することに。
その家は、赤い三角屋根が目を引く小さくもモダンな文化住宅。
そこに、玩具会社の重役・雅樹とその若い妻・時子、そして幼い一人息子の恭一が暮らしていた。
3人ともタキに良くしてくれ、タキはそんな平井家のためにと女中仕事に精を出し、
とりわけ美しくお洒落な時子に尽くすことに喜びを感じていく。
ある年の正月。平井家に集った雅樹の部下たちの中に、周囲から浮いた存在の青年・板倉正治がいた。
美術学校出身の心優しい板倉に恭一がすぐに懐き、時子も妙にウマが合って急速に距離を縮めていくが…。



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黒木華は第64回ベルリン国際映画祭最優秀女優賞(銀熊賞)を受賞。

つかりこさんのブログにミステリーですと書いてあったので、極力予備知識無しで鑑賞しました。
予備知識が無いなら無いなりに色々想像していたのですが、見事に外れました(笑)。
家政婦は見た、というとちょっと違うかも。
というかTVドラマの“家政婦は見た”は一度も観ていないので・・・(^_^;)。
あっ、家政婦のミタも観ていません。関係ないか。

ミステリー&人間ドラマ&反戦映画のバランスがとれた佳作です。
さすが山田監督ですね。
オススメです。
面白かったです。

女優陣の三人(松たか子、黒木華、倍賞千恵子)は、みなさん素晴らしいです。
倍賞さんはさすがの貫録です。言うこと無いです。

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松たか子は若いころはあまり良いと思えませんでしたが、歳をとるほどに良くなってきました。
特に彼女のファンというわけではないのですが、TVドラマの“HERO”ぐらいからぐっと
良くなったと思います。今作も良かったです。
松たか子が銀熊賞を受賞してもよかったのにと思いました。

黒木華は不思議な雰囲気を持った女優さんですね。メイクとか髪型とかで戦前の昭和風に
なっているんじゃなくて、そのままで戦前の昭和の田舎から出てきた若い女性という佇まい
を違和感なく表しているように見えます。“舟を編む”の時は、むしろメイクによって現代風
に見せていたように感じたほどです。

ちゃんと見るとそうでもないのですが、目がちっちゃい!ように見えるし、なんとなく古風な
イメージがある女優さんですね。
そんな彼女が自分の部屋でうつ伏せに寝転がっていた場面で、ふくらはぎがちらりと見えた時は、
ちょっとなまめかしかったです(笑)。

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そういえば今作は不倫の話なのに、艶っぽい場面は無いですね。
松たか子の着物の帯の場面ぐらいですかね。
あの場面が艶っぽいか?と問われると、ちょっと返事に困りますが。
それくらい無いということです(笑)。

不思議な雰囲気というと木村文乃もなんだかそんなイメージです。
“とらえどころのない”という感じというか、ふわふわした印象ですね。
スチル写真よりも動いているのを見た方がよい女優さんです。
今作は出番は少ないけどかわいかった(笑)。

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小説家役の橋爪功は、飄々とした、ちょっととぼけた雰囲気がぴったりでした。
「気が利く女中」について説くあたり、彼ならではです。

歴史を勉強して知っている健史と、その歴史の中を生き抜いてきたタキばあちゃんとの歴史認識のズレが
面白かったのですが、ちょうどこの作品を観た後日、NHKで「カラーでよみがえる!東京100年の映像物語」
という番組が放映されて、例えば2.26事件の当時でも意外と庶民は暗くなかったということが、映像として
残っていたりして、なかなか興味深かったです。

また、たまたま読んだ雑誌で、社会学者の古市憲寿氏と大和ミュージアム館長の戸高一成氏が“戦争を知らない
若者が見た戦争博物館”というテーマで対談していたのですが、その対談の中で戸高一成氏が、「昭和八年から
十年というのは割と景気が良くて、一般的に思い浮かべる以上に庶民には楽しい生活があった。」と発言しています。

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この映画を観ていた時は、タキが奉公する平井家が会社の重役の家なので、戦争に向かっていく時代にあっても、
一般庶民の者たちとは感覚が違って楽しそうな生活だったのかなという感じだったのですが、こうやってちゃんと
映像とか経験者の記憶とかで残っている資料を見たり読んだりすると、あの時代であっても別に世の中全部が暗かった
わけでは無いのだなと分かったりするんですね。

原作通りなのか脚本によるものなのかは分かりませんが、そういった時代の雰囲気というものが、ちゃんと細かく
描かれていますね。

それでもやはり戦時中というのは、上流(中流?)の家庭でも否応なく質素になっていくし、女性がもんぺ姿に
なったりして、雰囲気は暗くなっていきます。結局タキも実家に戻ることになるし。

東京も空襲がひどくなり、小さいおうちも焼けてしまいます。その場面はとてもちゃっちい!のですが、
そのちゃっちさも、この作品らしさかなと思いました。

この作品、冒頭でも書いたように、ミステリーなのですが、最後まで観ても答えが出なくて、謎のまま終わります。
え~、それってどうなの!?と思われるかもしれませんが、今作はそれでも面白いです。
というか、えっあれってどういうこと?とあれこれ思いめぐらすのが狙いだと思います。


ここからネタバレです。

その謎なんですけど、幾つかあります。
つかりこさんのブログを読んで思い出したのも幾つか・・・。
参考にさせて頂きます(^_^;)。

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何故にタキばあちゃんがあれほど悔やんでいたのか?ということは、時子に板倉を会せなかった(手紙
を渡さなかった)ために、二度と二人が会うことが出来なくなったからということなんですけど、まさか
時子が亡くなるなんて思ってみなかったので、予想外に後悔が大きくなったということですね。

それでは何故タキは時子が板倉の下宿に行くのを止めさせたか?ですね。

あくまで想像です。

映画の中でタキが言っていたことは、次のような内容ですね。
時子と板倉の逢瀬が世間にばれる(すでに酒屋のおやじから噂になっていることは聞いていた)と、
当時としては非常にまずいこと(旦那や子供にも迷惑になる)になるからということです。

それは小中先生に説かれた“気が利く女中”を実践し二人を会せなかった、ということなのか?

或いは、タキが時子にあこがれかそれ以上の同性愛的な感情を持っていたからか?
その上、板倉にも恋愛感情を抱いていたため、嫉妬心やら何やらで二人を会せなかったのか?

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時子や板倉への感情も、気が利く女中も、どちらもなんですよね、きっと。

でも結局分からないんですけどね。
原作でも書かれていないそうです。

つかりこさんに指摘されて思い出したのですが、タキばあちゃんの部屋にあって絵、あれも謎ですね。
戦後、板倉が画家になったことを知り、ひそかに購入したのか、それとも板倉に会ったことがあるのか?
うーむ、謎です。

原作を読んだ方からの情報では、平井夫婦はセックスレスだったそうです。
その上、時子は後妻で、恭一は先妻の子供だったようです。

☆予告↓



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テーマ:映画レビュー - ジャンル:映画

この記事に対するコメント

あ、またまた僕んちのご紹介を賜わり、ありがとうございます!

お見事なレビュー、拍手したくなりました。
僕は、あんな変な書きかたしかできなかったのですが、
とてもわかりやすく感動的で、すばらしい文章を読ませていただきました!

まったくの同感です。
不思議な映画ですよね?
これは、山田監督の作品群の中でも珍しい毛色の一本だし、
歴史に残る作品のひとつだと思います。

そうそう、松たか子の演技がすごいですよね?
おっしゃる通り、いまから思えば、ベネチアでは
松たか子も監督も受賞しても不思議でない作品だと思います。
【2014/10/28 23:50】 URL | つかりこ #- [ 編集]


つかりこさん、こんばんは。

いえいえ、つかりこさんのブログこそ面白くて、いつも楽しく拝見させて
いただいております。

>これは、山田監督の作品群の中でも珍しい毛色の一本だし、
>歴史に残る作品のひとつだと思います。

山田監督の作品はそれほど多くは観ていないのですが、されでも今作は
やはり監督の作品としては変り種と言ってもよいですねよね。
ミステリーということもあってか、確かに不思議な味わいがあります。
観終わってから暫くすると、またいろいろ考えてしいまいます。
後からじわじわとその良さが、より分かってくる感じです。
ホント歴史的作品になるかもしれませんね!

>そうそう、松たか子の演技がすごいですよね?
>おっしゃる通り、いまから思えば、ベネチアでは
>松たか子も監督も受賞しても不思議でない作品だと思います。

松たか子の表情が素晴らしかったと思います。
彼女にも賞をあげたかったですね。
【2014/10/29 18:38】 URL | バニーマン #- [ 編集]


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