プロフィール
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Author:バニーマン
映画ネタ、音楽ネタを中心に思いつくまま適当に書いていきます。 自分が忘れないための 日記のようなものです(^_^;)。 Instagram @kou_oku リンクフリーです。
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あなたを抱きしめる日まで(2013)
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【2014/11/27 21:43】 映画あ
☆あなたを抱きしめる日まで(2013) PHILOMENA

上映時間 : 98分 製作国 : フランス/イギリス
監督:スティーヴン・フリアーズ 製作:ガブリエル・ターナ スティーヴ・クーガン トレイシー・シーウォード 原作:マーティン・シックススミス : 『あなたを抱きしめる日まで』(集英社刊) 脚本:スティーヴ・クーガン ジェフ・ポープ 撮影:ロビー・ライアン 出演: ジュディ・デンチ / フィロミナ スティーヴ・クーガン / マーティン・シックススミス ソフィ・ケネディ・クラーク / 若き日のフィロミナ アンナ・マックスウェル・マーティン / ジェーン ミシェル・フェアリー / サリー・ミッチェル バーバラ・ジェフォード / シスター・ヒルデガード メア・ウィニンガム / メアリー ルース・マッケイブ / マザー・バーバラ ピーター・ハーマン / ピート・オルソン ショーン・マーホン / マイケル イギリスに暮らす敬虔な主婦フィロミナ。ある日、彼女は娘のジェーンにある秘密を打ち明ける。 50年前のアイルランド。10代で未婚のまま妊娠したフィロミナは、家を追い出され修道院に入れられる。 そして男の子アンソニーを出産したフィロミナだったが、彼が3歳になると無理やり養子に出されてしまう。 以来、片時もアンソニーのことを忘れたことはない。 年老いた彼女は、どうしてもひと目我が子に会いたいとの思いが高まっていた。 それを聞いたジェーンは落ち目の元エリート記者マーティンに話を持ちかける。 マーティンはジャーナリストとしての再起を期してこの話を受けることに。 こうして、信心深くて平凡な田舎の主婦フィロミナと無神論者でインテリ紳士のマーティン、 という対照的な2人によるアンソニー捜しの旅が始まるのだったが…。

第70回ヴェネツィア国際映画祭のコンペティション部門でプレミア上映され、クィア獅子賞を受賞。 同映画祭でスティーヴ・クーガンとジェフ・ポープが金オゼッラ賞(脚本賞)も獲得。 英国アカデミー賞で脚本賞を獲得。
今年のアカデミー賞にノミネートされていましたが、受賞はしませんでした。 受賞は逃しましたが、なかなかの佳作でオススメします。

さて今作を観て思い出したのが、2002年に制作されたアイルランド・イギリス合作映画の「マグダレンの祈り」。
この映画は、1996年までアイルランドに実在したマグダレン洗濯所(マグダレン精神病院)を 舞台としたもので、この施設は、当時のアイルランドで支配的だった厳格なカトリックの戒律に 依拠した道徳観に基づき、婚外交渉した女性などを収容していたところです。
原作者のジューン・ゴールディングは、かつて施設の助産婦をしていた経験があり、 収容されていた女性たちの願いによる約束のために回想録を書き上げたそうです。
この映画も実に酷い経験をした女性たちのお話なんですけど、この施設が1996年まで実在したというのに、 映画を観た当時ビックリしました。その後もカトリック教会のスキャンダルが続々と公になって、なんじゃ こりゃと思ったものでした。

で、今作のフィロミナは、そのカトリック修道院で生んだ息子を、アメリカに売り飛ばされた 悲劇の女性の一人というわけです。
「フィロミーナ(フィロミナ)」はカトリックの聖女のことだそうです。 日本語のタイトルは、映画の内容を考えるとちょっと残念な出来です。 もっともフィロミナと言われても分かりませんが・・・(^_^;)。
そんな内容の映画なので、そのまま撮ったならめちゃくちゃシリアスで暗い作品になるところですが、 主人公二人のやり取りがユーモアたっぷりに描かれていて、つい笑ってしまいます。 勿論真面目な作品で、コメディーではないですよ。
でも何とも言えないノホホンとした感じで、暖かさを感じるほどです。 ものすごく酷い仕打ちを受けた女性の話なのにね。 このバランス感覚がいいですね。
ネタバレあります。
ジュディ・デンチというと、僕にとっては007のMなんです(その他の出演作も観ていますがあまり 覚えていない・・・)。でも今作でのちょっと世間からズレてるおばあちゃんの役が、実に良い。 娘にも隠してきた重い過去を持つ女性というイメージとのギャップが・・・(笑)。 でもこのフィロミナのキャラがこの映画の良いスパイスになっています。

マーティン役のスティーヴ・クーガン(これまた彼の過去の出演作は何本か観ていますが、もの見事に 覚えていない・・・)は、製作・脚本・主演と大活躍です。彼もとってもいい味出しています。
マーティンはオックスフォード大卒で、元BBCのジャーナリストというエリートという肩書のため、 フィロミナの頼みを三面記事のようだと最初は受けるのを躊躇します。しかし彼女が経験してきた事実を 知るにつれ、ことの重大さを思い知らされます。
事実が明らかになる度にその内容の重さに記事にすべきかどうか真面目に悩むマーティンの姿勢は、 ジャーナリストという立場からでなく、人としてどうあるべきかを考えさせられます。
またこのフィロミナとの旅は、仕事をクビになって上手くいっていなかったマーティンにとって、 ジャーナリストとしても人としても成長していった旅だったのではないかと思います。 そんな彼が、映画のラストでお墓へお供え物をする場面は泣いちゃいます。

そんな男の成長物語がサブテーマとしてあるこの映画のメインテーマは、勿論アイルランドにおける カトリック教会の理不尽な行為についてなんだけど、実は宗教問題がもう一つあります。
探していた息子は、米国で共和党の顧問弁護士にまで出世していたのですが、ゲイだったためエイズで 亡くなっていました。この共和党というのが厄介で、キリスト教右派が強い権力を持っていて、同性愛者に 対して冷淡であり、息子もゲイであることを隠して生活していました。 時代を考えると仕方ないですけど、なんともやりきれないですね。
でもこの映画がスゴイのは(というか主人公のフィロミナがスゴイのですが)、カトリック教会の糾弾という お話にしなかったことです。 まさか、フィロミナがあんな行動に出るとは思ってもみませんでした。 マーティンもビックリしたけど、僕もビックリしました。
カトリック教会のシスターの理不尽な行為も、宗教によるものなら、フィロミナの素晴らしい行為も、 これまた宗教によるものなんですよね。
最初に日本語のタイトルってちょっと残念な出来ですと書いたのですが、こうやって書きながら内容を 思い出すと、なかなか泣けるタイトルかなと思えてきました。
☆予告↓
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テーマ:映画レビュー - ジャンル:映画
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昔、アメリカにロリータという町があった!!!
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【2014/11/25 20:08】 文学
ウラジーミル・ナボコフはロシア帝国のサンクトペテルブルクで貴族の家に長男として生まれた。 ロシア革命後、1919年に西欧に亡命。ケンブリッジ大学を卒業。ベルリン、パリの生活を経て 1940年に渡米、1945年にアメリカに帰化した。
コーネル大学等でロシア文学・ヨーロッパ文学を講じていた当時、「ロリータ」を発表する。 初版はパリで1955年に出版され、アメリカでは1958年に出版されベストセラーとなった。
彼はこの作品により国際的に著名な作家となったが、作品への批判も多かった。
テキサス州にあったロリータという町は、町名をジャクソンに変更したそうです。 さぞ迷惑だったことでしょう(笑)。
僕はこの有名な小説は読んでいません。 ナボコフ本人の脚本でスタンリー・キューブリックが監督した映画も観ていません。
テーマ:ヒトリゴト - ジャンル:小説・文学
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BRUCE SPRINGSTEEN / High Hopes(2014)
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【2014/11/02 20:24】 音楽ふ
☆BRUCE SPRINGSTEEN / High Hopes(2014) ブルース・スプリングスティーン / ハイ・ホープス(初回生産限定盤)(DVD付) [CD+DVD]

ディスク:1 1. ハイ・ホープス 2. ハリーズ・プレイス 3. アメリカン・スキン(41ショッツ) 4. ジャスト・ライク・ファイア・ウッド 5. ダウン・イン・ザ・ホール 6. ヘヴンズ・ウォール 7. フランキー・フェル・イン・ラヴ 8. ディス・イズ・ユア・ソード 9. ハンター・オブ・インヴィジブル・ゲーム 10. ザ・ゴースト・オブ・トム・ジョード 11. ザ・ウォール 12. ドリーム・ベイビー・ドリーム
ディスク:2 1. ボーン・イン・ザ・U.S.A. 2. カヴァー・ミー 3. ダーリントン・カウンティ 4. ワーキング・オン・ザ・ハイウェイ 5. ダウンバウンド・トレイン 6. アイム・オン・ファイア 7. ノー・サレンダー 8. ボビー・ジーン 9. アイム・ゴーイン・ダウン 10. グローリィ・デイズ 11. ダンシン・イン・ザ・ダーク 12. マイ・ホームタウン
【初回生産限定盤のみボーナスDVD付:なんと1984年の名盤『ボーン・イン・ザU.S.A.』全曲再現ライヴ完全収録! 】 ロック界のボス、ブルース・スプリングスティーン2年ぶり通算18作目となるニュー・アルバム。 過去10年間で書きためてきた最高峰の楽曲や、ライヴのみでしか演奏されてこなかった最重要曲も 遂にスタジオ録音で初登場! Eストリート・バンドのメンバー(故クラレンス・クレモンズ、 ダニー・フェデリーシの在りし日の演奏も収録)、トム・モレロ(レイジ・アゲインスト・ザ・マシーン)他参加。 “これぞE STREET BANDサウンド"的なロックン・ロールから、ボス自身が“キャリア史上最高の楽曲たち"と語る 「アメリカン・スキン」「ザ・ゴースト・オブ・トム・ジョード(Electric Ver)」の初スタジオ録音まで。 「ドリーム・ベイビー・ドリーム」は、“夢を持ち続けよう"というある種ブルースがデビュー以来40年間に渡って ずっと伝え続けている普遍的なメッセージをシンプルに、静かに、力強く歌いかける名曲。 全ての装飾を排除したかのようなシンプルかつ荘厳なサウンドは聴く者の心を掴んで離さないはず。
【初回生産限定盤】 ■初回生産限定盤のみボーナスDVD付(『ボーン・イン・ザ・U.S.A.』全曲ライヴ収録) ■ソフトパック仕様 ■解説・歌詞・対訳付
ブルースにとって18枚目になるスタジオ録音盤。
これが予想外に良かった(失礼!)。
白眉は「アメリカン・スキン」。 カッコイイとしか言いようがない。 トム・モレロ(レイジ・アゲインスト・ザ・マシーン)のギターがメチャいいです。
そしてもう一曲が「ザ・ゴースト・オブ・トム・ジョード(Electric Ver)」。 あの95年のブルースのソロ・アルバムの表題曲ですね。 これまたトム・モレロが参加しているのですが、ギターだけでなく歌っています! もともとアコースティック・ヴァージョンだったのをレイジ・アゲインスト・ザ・マシーンが ロック・ヴァージョンにアレンジしてカヴァーしたらしい。 その後ブルースがトムをゲストに迎えたライヴで、ロック・ヴァージョンを披露したという経緯が あるそうです。知りませんでしたが・・・。 兎に角これもカッコイイの一声です。
全体にコンパクトな曲が多いので、そういった意味でも聴きやすい。 アメリカン・スキンとザ・ゴースト・オブ・トム・ジョードは7分台ですが、それ以外は2分台から 4分台の曲が多い。
そしておまけ?のDVDがこれまた素晴らしい。
1984年のアルバム「ボーン・イン・ザ・U.S.A.」を、全曲再現ライヴ。 それも余分なMCも無く、アルバムの曲順通りに熱演。
ディランズ・チルドレンと言われていたブルースですが、ことライヴに関してはディランのように 元歌が分からないほどのアレンジをすることは無く、オリジナル通りに再現するタイプだし、 バンドもジャム・バンドのように即興で延々ソロを披露するなんてことはありません。 しかしそのライヴ・バンドとしてのエネルギーや凄くて、アツい!ライヴです。 またこのライヴでは、サックスをクラレンス・クレモンズの甥っ子ジェイクが担当しています。
ブルースのファンは必見です!
☆"American Skin (41 Shots)" Live in Tampa, FL 03/23/12
☆Bruce Springsteen - The Ghost Of Tom Joad (with Lyrics)
☆Bruce Springsteen - Born In The U.S.A. (Pro-Shot - Hard Rock Calling 2013)
テーマ:洋楽ロック - ジャンル:音楽
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