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もうひとりの息子(2012)
【2014/11/11 21:20】 映画も
もうひとりの息子(2012)
 LE FILS DE L'AUTRE
 THE OTHER SON

51ApzY4uc6L.jpg

上映時間 : 101分
製作国 : フランス

監督:ロレーヌ・レヴィ
原案:ノアン・フィトゥッシ
脚本:ロレーヌ・レヴィ
ナタリー・ソージェン
ノアン・フィトゥッシ
撮影監督:エマニュエル・ソワイエ
音楽:ダッフェル・ユーセフ

出演:
エマニュエル・ドゥヴォス / 母オリット
パスカル・エルベ / 父アロン
ジュール・シトリュク / 息子ヨセフ
マハディ・ザハビ / 息子ヤシン
アリーン・オマリ / 母ライラ
ハリファ・ナトゥール / 父サイード

テルアビブに暮らすフランス系イスラエル人家族の18歳になる息子ヨセフ。
ある日、兵役検査で両親の実の子ではないことが判明する。
18年前、湾岸戦争の混乱の中、病院で別の赤ん坊と取り違えられていたのだ。
しかも相手は高い壁の向こうに暮らすパレスチナ人夫婦の息子ヤシンだった。
最初は事実を受け止めきれず激しく動揺するヨセフとヤシン、
そしてそれぞれの家族たちだったが…。


987-12.jpg

2012年の東京国際映画祭で、グランプリと最優秀監督賞の2冠に輝いたそうです。

「そして父になる」の中東版です。とは言っても僕は「そして父になる」を観ていません(^_^;)。

オススメです。
とっても考えさせられる一本。

これの前に観たのが「ワールズ・エンド 酔っぱらいが世界を救う!」なので、
スゴイ落差があります(笑)。

よくこんな状況の映画を撮ったなと思ったら、フランス作品で監督もフランス人なんですね。
フランス人とは言ってもユダヤ系だそうですが。なんにせよ、イスラエルでもパレスチナでも
無いので撮れたのでしょう。

346092_01_03_02.jpg

テルアビブに住むイスラエル国防軍大佐アロンと病院に勤めるフランス生まれのオリットの息子ヨセフ。
ヨルダン川西岸のイスラエル占領地域に住むパレスチナ人サイードとライラの息子ヤシン。
この二人の息子が手違いで入れ替わってしまい、18年後にそれが判明する。

事実が判明した時点で、先ずそれぞれの父親は無かったことにしようとします。
息子には事実を知らせない、親戚や近所、友人にはそんなこと言えるわけがないと。
しかし父親たちも徐々にそれぞれの息子とその家族を受け入れていきます。

母親たちは勿論困惑はしますが、実の息子に会おうとし、愛情を示します。
連絡を取り合うのも先ず母親たちです。
子を産んだものと、そうでないものの違いなんですかね、この父と母の対応の違いは。

346092_01_01_02.jpg

まだ小さいそれぞれの妹は、多分よく分かっていないと思うのですが、さしたる困惑もみせず、
むしろ新しい兄に興味を示します。妹同士も仲良くします。

ヤシンの兄ヒラルだけは民族問題故に、ヤシンを家から追い出し、猛烈に反対します。

そして当事者である息子たちは、苦悩はしますがこれが実に淡々と事実を受け入れます。
初めて会った時から、穏やかに話をします。

またヨセフに相談されたラビは、ユダヤ人の子だけがユダヤ人だと言い、ヨセフはユダヤ人でもないし
ユダヤ教徒でもないと答え、日曜の礼拝の時に拒絶の表情を見せます。
宗教と民族が一致しているが故の不幸ですね。

346092_01_02_02.jpg

この映画のような民族問題の設定の時、兄ヒラルとラビの対応はむしろ当然で、父親や本人たちの
苦悩、困惑がむしろあっさりしすぎかなというのが、観終わった時の感想です。

ヨセフの家族は軍と病院勤務だし、ヤシンの方にしても占領下で父親に仕事が無いという状態にも関わらず、
息子をパリに留学させる余裕があるという設定のためか、双方が経済的に困窮しているわけじゃないから、
こんな事態でも意外と余裕でいられるのでしょうか・・・?

でも監督としては、単純に民族問題が故に争うという方向に持っていくのではなく、対立する立場にあっても
お互いに受け入れることが出来るのではないかという前向きな姿勢を見せたくて、この作品を撮ったのかなと
思いました。

この映画のような終わり方で、イスラエルとパレスチナの問題に対して、ユダヤ系である監督ならではの
希望を示そうとしたのかなと思います。
ちょっと甘いかなと思いましたが、なかなか良い作品です。

☆予告↓


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テーマ:映画レビュー - ジャンル:映画

この記事に対するコメント
同感です
非常にいい映画だとは思いましたけど、
やはりちょっと甘いような気がしましたね。

イスラエルとパレスチナのあいだに横たわる、
憎悪と差別と分断、その中に込めた希望を描いているわけですけど、
そのテーマを描くためにすべてが作為的に映ってしまいました。
結局は監督の都合よく事が運びすぎているって感じでしょうか。

もっとシビアでヘビーでもよかったような気はしますけど、
そうなると監督の訴えたいこととは変わってきてしまいますかね。
でも!それゆえにパンチが弱いのですよ!
【2014/11/12 00:09】 URL | スパイクロッド #- [ 編集]


スパイクロッドさん、こんばんは。

そうなんですよね、“けんか”をとるか“握手”をとるか。

監督としてはこの地域の喧嘩はもうやめてほしいと思ったのでしょう。
監督がまじめにその問題に取り組んだことがわかります。

で、結果甘くなっちゃた。
難しいですね、映画って。
今更ながらそう思いました。
【2014/11/12 18:19】 URL | バニーマン #- [ 編集]


興味深いですね。
個人的には、イスラム教がらみの事項に興味が湧いている年頃です。
イスラムのことを理解しないと、世界のことなんてわかるわけがないのに、
これまで、まったく知らないままでいたのが不思議なくらいです。
追って、観させていただきますねー。

近年、「君のためなら千回でも(The Kite Runner)」という本を読みました。
世界で、1,000万部も売れている本です。
アフガン戦争に巻き込まれたアフガニスタンの家族の話で、
すごーくおもしろいということはないと思いますが、
イスラムのことが少しわかります。
よろしかったら、どうぞ。
【2014/11/12 20:13】 URL | つかりこ #- [ 編集]


かなり色々考えさせられそうな映画ですね。
イスラエル・パレスチナ問題だけではなく、命についても…

観てみたくなりました。
【2014/11/13 08:23】 URL | ちょい若おやじ #6nHvXW6U [ 編集]


つかりこさん、こんばんは。

日本においてもイスラムのことを知らないと、観光業でも大変という時代に
なってきましたね。
でも僕もイスラムのことはよく分かりません。
勿論ユダヤ教もキリスト教も・・・。

“ふしぎなキリスト教 (講談社現代新書) [新書]橋爪 大三郎 (著), 大澤 真幸 (著) ”を読んだりもしましたが、やっぱりよく分かりません(^_^;)。
あっこの本は面白いです。
http://blog.livedoor.jp/oukei318/archives/51788977.html

>近年、「君のためなら千回でも(The Kite Runner)」と
>いう本を読みました。

これは原作は読んでいませんが、映画の方は観ました。
かなり忘れていますが(笑)、なかなか感動作だった記憶があります。

原作ってそんなに売れていたのですね。知りませんでした(忘れていた?)。
読んでみたいと思います。
【2014/11/13 20:03】 URL | バニーマン #- [ 編集]


ちょい若おやじ さん、こんばんは。

はい、いろいろ考えてしまいます。
宗教だけじゃなくてね。

宗教がらみだと“灼熱の魂(2010)”もオススメですね。
勿論“命”についても大変考えてしまう映画です。
ちょい若おやじさんなら、もう観られたのかな?

http://oukei1963.blog90.fc2.com/blog-entry-204.html
【2014/11/13 20:19】 URL | バニーマン #- [ 編集]


こんばんは。
「そして父になる」私も見てないですけど、多分あちらは赤ちゃんの取り違えを通じて、親子とは家族とは?が主題なのに対し、こちらはパレスチナ問題の方が重くなっちゃって、その分設定が都合良すぎて、心象表現も淡白になってる って感じでしょうね。それに、個人的な印象ですが、人の心を描くのは、一般的に日本人の方が繊細な気がしています。
【2014/11/16 20:55】 URL | yuccalina #qhVXTLRM [ 編集]


yuccalinaさん、こんばんは。

>こちらはパレスチナ問題の方が重くなっちゃって、その分設定が都合
>良すぎて、心象表現も淡白になってる って感じでしょうね。

僕の感想としては、監督はパレスチナとイスラエルの対立問題がまず最初に
あったと思います。それで対立問題をテーマとした場合にどうしたら世間に
訴えることが出来るのかを考えた時に、子供取り違え事件って良いかも!と、
このような映画が出来たのかなと、思っております。

実際はどうかわかりませんが、そんな風に思いました。

>人の心を描くのは、一般的に日本人の方が繊細な気がしています。

そうですね、それはあるかもしれません。
外国の方は、言葉にしちゃうので分かりやすくなるかなと思います。
【2014/11/16 21:46】 URL | バニーマン #- [ 編集]


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